穀物博士になろう!
ドイツ産コンベンショナル(慣行栽培)穀物製品の残留農薬管理について~全ての製品が安全で健全であるために~
直輸入の小麦粉・ライ麦粉に含まれる残留農薬について
タテノコーポレーションオンラインショップでは、皆様に安心してお召し上がりいただける小麦粉やライ麦粉を始めとする穀物製品をお届けするために、製造工場の自社検査だけでなく、外部検査によって安全が確認された穀物をお届けしています。
近年では健康志向の高まりもあり、残留農薬やポストハーベストの影響を心配されている方も少なくありません。
ドイツにある老舗の小麦粉ライ麦粉メーカー・シャッフェンミューレ社においては、EGM(欧州穀物モニタリング)を取り入れています。
シャッフェンミューレ社では、毎回収穫年毎に多くの分析結果を入手しています。
タテノコーポレーションで取り扱っているシャッフェンミューレ社の穀物製品において、残留農薬は「陰性」であることが証明でき、慣行栽培の穀物への残留農薬が検出されることはほとんどありません。
ところが、これは農家が全く農薬を使用してないということではありません。 ドイツの小麦やライ麦を生産している農家は、ドイツやEUの生産者は、最小限の農薬で栽培が出来ることを目的としたGMPプロセスを採用しており、その範囲の中で農薬を使用しています。またそれらの農薬は、出荷する際の穀物への残留は基準値以下です。
小麦やライ麦などの食品や薬品に関するマネジメント開発の基礎「GMPプロセス」とは?
GMPプログラムと食品に関する様々な認証規格を取得する際に、適正に製造が行われているかの規範となる物です。GMPとは Good Manufacture Program の略で、安全な食品を製造するために適正な製造・生産環境条件を満たしていることを保証する製造者・生産者のためのプログラムのことです。
ドイツの穀物メーカー・シャッフェンミューレ社では農薬、マイコトキシン、その他の汚染物質が使われた小麦やライ麦などの穀物がお客様に誤って届いてしまうことがないよう検査をしっかりと行っています。全ての穀物原材料と製粉加工品において、毎年約2000もの分析を行って安心が確認できたものだけを出荷しています。これからも全ての小麦やライ麦などの穀物類が、安全で健全であるために最大限の努力を続けてまいります。
GMPの検査項目には以下のような事項が挙げられます。
- 敷地管理
- 施設・設備の設計、施工、配置および製造ライン、
- 製造・保管区域の仕様・ユーティリティの管理
- 装置・器具
- 保守
- 従業員用の施設
- 汚染リスクの特定・管理
- 物理的、化学的、生物学的製品汚染リスク
- 交差汚染
- 在庫の管理
- 水や氷の管理
- 清掃、衛生、整理整頓など
このような厳しい基準をクリアした小麦粉やライ麦粉、その他穀物類をお客様へお届けしています。安心してパンやお菓子、パスタなどを調理していただけると幸いです。
シャッフェンミューレ社における小麦・ライ麦の栽培・加工風景
当サイトのスペルト小麦粉630、NKスペルト小麦粉630、全粒粉、ライ麦全粒粉などのメーカー・シャッフェンミューレ社は、ドイツ南部ウルム市にある製粉工場です。
とても喉かな田園風景にそびえたつとても近代的な工場。まわりの風景の写真を見るだけでも、深呼吸したくなるような気持ちの良いところです。収穫の季節には、まさに黄金の麦の穂が一面に見渡せます。
写真中央の大きなタワーは全長162メートルのEUで一番大きなサイロ「シャッフェンタワー」です。このタワーはシャッフェン社の麦を貯蔵する「サイロ」です。
そこで保管された小麦やライ麦は近代的な工場で小麦粉やライ麦粉へと加工されます。工場内部の様子をみてびっくり!とてもスタイリッシュでかっこいい工場ですね!
大きくそびえたつサイロ
黄金色に輝く麦畑
穀倉地帯ののどかな風景
ドイツ工場内はモダンでかっこいい雰囲気です。
衛生的で近代的な工場内の様子
製粉を工場内でチェックする様子
- 2022.08.31
- 15:16
2000年前の古代パン
2022年1月14日から4月3日まで上野の東京国立博物館で開催されている特別展「ポンペイ」では、発掘された「炭化したパン」が展示されています。
当店の古代小麦を使用している調布市のパン屋さんが、特集番組を組んでいるテレビ局から依頼され、古代小麦の「アインコーン、スペルト、エンマ―等」を使って当時のパンを再現されました。特別なワインと一緒に味わうシーンで試食され、大変好評だったようです。
さて、79年にヴェスヴィオ山の噴火によって埋没した街ポンペイに思いを馳せる「ポンペイ展」での見どころは、衣食住それぞれにあり、中でも「人と暮らし」の展示が私達には身近に感じられます。
富裕層と一般市民では食事に大きな差があったようで富裕層の家にはトリクリニウムと呼ばれる食堂があり、頻繁に饗宴が開かれていたようです。それに比べ一般社会階層の家庭には台所はなく、主に外食に頼っていたというあたりは意外です。また食事の回数は、いずれも1日2食だったそうですから、現代人は食べすぎかもしれません。
ポンペイの街中にはパン屋やテイクアウト料理店が点在していたようで、「パン屋の店先」のフレスコ画からもパンの形が伺えます。
他にも「炭化したキビ、イチジク、干しブドウ等」栄養豊富な古代食が展示されています。ギフトショップには「炭化したパン」がクッションに再現され販売されていたのは日本ならではかも知れません。
- 2022.02.24
- 13:41
強力粉?薄力粉?ドイツの小麦は日本の小麦とは分類が違う!灰分とは?
日本とドイツでは粉の分け方が違う?
日本の小麦粉メーカーでは、小麦粉を分類する際に含まれるタンパク質量で
「薄力粉」「中力粉」「強力粉」とそれぞれ分けられています。
タンパク質量が少ないものから
薄力粉→中力粉→強力粉と分類され、
グルテンの量が少ないものほど、粒度が細かくなっています。
またメーカーによって分類の基準は違っており、一概にタンパク質量がこの数値内であればすべてが薄力粉。と分類することはできません。
それに対しドイツでは、灰分(かいぶん)と呼ばれる小麦粉自体のミネラル含有量で粉の種類を分類しています。
それらは小麦粉に限らず、ライ麦粉やスペルト小麦に対しても分類分けとして使われているのですが、ここでは小麦粉を例に挙げてお話いたします。
分類された後の小麦粉には、日本でいうところの薄力粉といった名前を付けるのではなく、実際に含まれている灰分を405や550といった数値として、商品パッケージに表記されています。そのため各家庭や店舗など小麦粉を必要とする人たちは、自分の作りたいものにはどの程度の灰分を有した小麦が適しているのかを把握しています。
みんなが基準を共有しているからできる小麦の精製度別分類
ミネラル含有量は、水分を0とした場合の乾燥重量に対して何パーセント入っているかという指標で表され、
小麦粉100キログラム当たりのおよそのミネラル量が何グラムかということを405や550といった数字で表しています。
2000の場合は全粒粉(ミネラル100%)を意味し、405の場合は100kgの小麦から40kgの小麦粉を抽出したことを意味します。
ミネラルは穀物の外側に行くほど多く含まれており、数字が大きいものほど色が濃くなり、ミネラル・食物繊維等が豊富な事を表していますが、数字が大きいほどグルテンが少なく膨らみにくかったり粒子が粗いため他の粉を合わせて使う事もあります。
日本の小麦粉の感覚で、タンパク質量だけを見て一概に薄力粉・中力粉・強力粉と分類することは個々の小麦の成分を分析しない限り、難しいようです。
目安となる小麦粉の種類
先ほども少し書きましたが、精密に調査しない限りドイツの小麦粉は、日本の小麦粉の基準である、薄力粉・中力粉・強力粉と一概に分類ができません。
現地ではどのように使い分けているのでしょうか?一般的な例を見てみましょう
このようにそれぞれの特徴を活かし、用途に合わせて小麦粉もこだわるのがドイツではスタンダード。食感だけでなく栄養的な面も含めて最適な小麦を選びます。
日本人がお米を選ぶときの品種や産地のこだわりにも似ていますね。
ご家庭の味がそれぞれ違うのは世界共通
ドイツの家庭では405を一般的な料理やクッキーなどのお菓子作り用として使い、550以上を好みに合わせたパン作りやパスタ作りなどに活用することが多いようです。
またそれらの粉は風味や粘り等の特徴に合わせて、それぞれが好みの粉を選び、必要に応じて使い分けられています。
日本で売られているようなふわふわしたパンがあまりないドイツでは、香りや歯ごたえ、食感を楽しむ事が多いようですね。